日経平均株価を使ってデジタルマーケティングの予測精度を高める方法について

📌 はじめに

「デジタルマーケティングと株価って関係あるの?」と思う方も多いかもしれません。
しかし、実際には検索トレンドや政治イベントが株式市場に与える影響は小さくありません。
そこで今回は、2025年3月〜6月末までの日経平均株価をベースに、以下の手法を用いて時系列予測と相関分析を行なってみました。


① データ収集:日経平均株価をPythonで自動取得

まずは予測の材料となるデータとして、過去数年分の**日経平均株価(終値)**をPythonのyfinanceライブラリを使って取得。
CSVとして出力し、分析のベースを整えました。

pythonコピーする編集するnikkei = yf.download("^N225", start="2018-01-01", end="2025-07-01")

② ARIMAモデルでの予測:統計的アプローチでトレンドを読む

ARIMAモデルは、過去の自己相関を元に未来を予測する古典的手法。
自動で最適なパラメータを選定してくれるauto_arimaを使い、2025年7月以降の予測値を算出しました。

✅ 理解できること

  • 株価は短期的に変動が激しいため、差分処理が重要
  • トレンドよりも「変化の方向」を重視するモデル

③ Prophetモデルでの予測:Google開発の直感的な時系列予測

次に試したのが、Facebook(現Meta)開発のProphet
季節性や休日といったビジネス的な要素も自動で考慮してくれる点が魅力。
91日先までの日経平均を予測し、グラフも簡単に表示可能でした。

✅ 理解できること

  • 週次・年次などの周期性が視覚的に理解できる
  • イベントを加味することで、より実践的な予測ができる

④ 相関分析:株価と検索トレンド・選挙イベントの関係を検証

ここからが本題。
「人々の関心(トレンド指数)」と「政治イベント(選挙)」が株価にどう影響を与えるのかを分析。
以下のCSVデータをもとに分析を実施しました:

データ取得方法
Googleトレンド(例:「インフレ」)pytrends
選挙イベント自作のCSV(選挙日+勝敗)

🔍 結果(相関係数):

  • トレンドスコア × 株価:-0.31
  • 選挙フラグ × 株価:-0.19

検索トレンドが高まる=不安や注目が集まる=株価に若干のネガティブ影響、という構造が見えてきました。


⑤ 重回帰分析:マーケティング視点での数値予測

2つの説明変数(Googleトレンド・選挙)を用いて、重回帰モデルを構築。
モデル精度を確認しつつ、各変数の影響度も可視化できました。

pythonコピーする編集する・MSE: 70245.23
・R²スコア: 0.68
・係数: [-134.7, -98.4](※いずれもマイナス=下落傾向)

✅ 理解できること

  • シンプルなモデルでも予測がある程度できる
  • 意外にも「検索数の増加=株価下落」となる傾向がある

⑥ Prophetモデルに外部要因を組み込んだ拡張版

最後に、Googleトレンドと選挙結果をProphetの外部回帰変数として追加し、予測モデルをアップグレード。
add_regressor() を用いてモデルに学習させることで、精度向上が見込めました。

グラフで確認できたこと:

  • 選挙のあった日に微小な下落リスクが発生している
  • トレンドスコアが高い週は予測値も不安定になりやすい

✍️ 今回の振り返りと今後の展望

今回の取り組みで「数字と人の関心がリンクしている」ことを、あらためて実感できました。
今後は以下のような応用に広げていく予定です:

  • 自社広告費やクリック数と株価の相関分析
  • 株価とGoogleトレンドの両方を活用した広告配信タイミングの最適化
  • SNSバズと市場動向の連携モニタリング
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